係数とは、次数とは、
係数(けいすう)は、項の中の文字の前の数字の部分、
次数(じすう)は、項の中の文字、変数の数
$$ \color{red}{2}x^\color{blue}{3} $$
係数は\( \color{red}{2(赤字の部分)} \)、次数は\( \color{blue}{3(青字の部分)} \)
応用
数字が見えないとき(その1)\( \color{red}{2}x\)
次数が見えない問題です。\(x^2=x \times x\)で2次でした。この問題の\(x\)では右上に数字は見えませんが、文字の数は1個、1次と考えます。
$$ \color{red}{2} x = \color{red}{2} x^\color{blue}{1} $$
従って、
係数は\(\color{red}{2} \)、次数は\( \color{blue}{1} \)
となります。
数字が見えないとき(その2) \(x^\color{blue}{2}\)
係数は、\(x^2\)の前の数字の筈だが、数字が見えない。\(x^2=1 \times x^2 = 1x^2 \)と考えると、見えない係数は\( \color{red}{1} \)が隠れていると考えることが出来る。
$$ \begin {eqnarray}
x^\color{blue}{2} &=& 1 \times x^\color{blue}{2} \\
&=& \color{red}{1} x^\color{blue}{2}\\
\end{eqnarray}$$
従って、
係数は\(\color{red}{1}\)、次数は\(\color{blue}{2}\)
である。
数字が見えないとき(その3) \( \color{red}{-}x^\color{blue}{3}\)
係数は\( \color{red}{-} \)で、マイナスの符号だけで数字が見当たりません。\( \color{red}{-} x^\color{blue}{3} = \color{red}{-1} \times x^\color{blue}{3} \)と考えて、マイナスの符号だけ見えていて数字が見えなかった係数は\( \color{red}{-1} \)が隠れていると考えることが出来ます。
$$ \begin{eqnarray}
\color{red}{-}x^\color{blue}{3} &=& \color{red} {-1} \times x^\color{blue}{3} \\
&=& \color{red}{-1}x^\color{blue}{3}\\
\end{eqnarray} $$
従って、
係数は\( \color{red}{-1} \)、次数は\( \color{blue}{3} \)
となります。
文字が無い場合 \( \color{red}{2} \)
文字が無い場合の次数は、\( \color{blue}{0}\)です。文字の数が\( \color{blue}{0} \)ですから。
従って、
係数は\( \color{red}{2} \)、次数は\( \color{blue}{0} \)
となります。
文字が複数種類ある場合 \( \color{red}{2}x^\color{blue}{3}y^\color{blue}{4}\)
係数は分りやすいですね。文字の前の数字の部分ですから、\( \color{red}{2} \)が係数になります。
次数が問題です。xの右上についている\( \color{blue}{3} \)が次数でしょうか?最後の文字、yの右上についている\( \color{blue}{4} \)が次数でしょうか?実は、どちらでもありません。
$$ \color{red}{2} x^\color{blue}{3} y^\color{blue}{4} = \color{red}{2} \times x \times x \times x \times y \times y \times y \times y $$
となり、\(x \)が\( \color{blue}{3} \)個、\( y \) が\( \color{blue}{4} \)個、合計して文字が\( \color{blue}{3+4=7} \)個あるので、この場合、次数は\( \color{blue}{7} \)となります。
従って、
係数は\( \color{red}{2} \)、次数は\(\color{blue}{7} \)
となります。
多項式の場合 \( \color{red}{2}x^\color{blue}{3}+\color{red}{4}y^\color{blue}{5} +\color{red}{6} \)
まず、係数はどうなるでしょうか?
\( \color{red}{2} \)でしょうか、\( \color{red}{4}\)でしょうか、\( \color{red}{6} \)でしょうか、それとも、\( \color{red}{2+4+6=12}\)でしょうか。
どれでもありません。多項式の場合には、係数という概念が存在しません。
(単項に分解したときのそれぞれの項の係数は\( \color{red}{2,4,6}\)ですが。)
つぎに、次数はどうなるでしょうか?
\( \color{blue}{3} \)でしょうか、\( \color{blue}{5}\)でしょうか、\( \color{blue}{0} \)でしょうか?それとも、\( \color{blue}{3+5+0=8}\)でしょうか?
多項式の次数は、単項式に分解したときのそれぞれの次数の最大値が多項式の次数となります。
すなわち、\( \color{blue}{3}\)と、\( \color{blue}{5} \)と、\( \color{blue}{0} \)の中の最大値\( \color{blue}{5} \)が、\( \color{red}{2}x^\color{blue}{3}+\color{red}{4}y^\color{blue}{5}+\color{red}{6}\)の次数となります。
従って、係数は無し、次数は\( \color{blue}{5} \)となります。
特定の文字に着目したとき
例題:\(x\)に着目したときの次の式の係数と次数を答えよ。
&& 2x^3y4 &&
「\( x\)に着目したとき」というのは、文字は\(x\)だけで、残りは文字があっても数字の扱いとする。と言う意味です。すなわち、以下のように変形できます。
$$ \begin{eqnarray}
2x^3y^4 &=& \color{red}{2} x ^\color{blue}{3} \color{red}{y^4} \\
&=& \color{red}{2} \times x^\color{blue}{3} \times \color{red}{y^4} \\
&=& \color{red}{2y^4} x^\color{blue}{3} \\
\end{eqnarray} $$
従って、
係数は\( \color{red}{2y^4} \) 、次数は\( \color{blue}{3} \)
となります。
この文章の範囲外
この文章は、初級者に分かりやすさを求めて、厳密性を落として記述しています。
\( \frac{y^2}{2x^3} \)や、\( \sqrt{3x}\)などのように、文字の数が次数にならない式もあります。これらの例外は、ここでは言及していません。