キーアセットさんから、ある本を紹介いただき、早速購入いたしました。 「ユースが語るおいしいストーリ~だれかと食べたいスペシャルレシピ~」です。 ユースの皆さんの思い出に残っている食事、というか、食事にまつわる思い出をつづった本です。もしよかったらどうぞ。 私は児童養護施設で育ったわけではありませんが、大学時代は、施設に学ボラでお邪魔するたびに、施設の食事を頂いてきました。それが目的で通っていた面もあるかもしれません。特にこんな食事があったと覚えてるものはあるとは思っていませんでした。ただ、最後に施設に行った日(閉園のお別れ会の日)、出てきたメニューがカレーでした。玄関先で旧知の職員や元こども達とおしゃべりしていると、年月が経ってすっかり忘れてしまっていた職員の方や、すっかり大人になって誰だか分らない元こどももチラホラとありました。そこに漂ってきたのがカレーの匂いでした。その匂いを嗅いだ途端、施設に通い詰めていた当時の記憶がよみがえってきました。レストランで出るような立派なカレーでは無く、ごく普通の黄色いジャガイモが少し煮崩れてトロミの出たカレーです。そんな何の特徴も無いカレーですが、食べた途端に施設で何度も食べたあのカレーだと分りました。調理師さんとも、カレーネタをきっかけに話が弾みました。お別れ会という場面ですから、思い出に浸りに行っているのもあるのですが、食事の力、匂いが記憶に結びついていることを実感した次第です。 そんなこんなで、食事の力、というのか、食卓を囲むことの力を信じています。百道庵は、学習支援を主としていますが、食を通した関わり、食卓を囲むことも大切にしていきたいと思います。