高卒認定試験 物理基礎 H29-2 大問3 問2 解説+解答

解説:

(1) グラフが平たんであるということは、投げ込みヒーターから発生られた熱は、すべて氷の融解熱に利用されている。


投げ込みヒーターから発生られた熱:
1 秒間に 300 J の熱を発生する投げ込みヒーターで、120秒間熱を発生させているので、
$$ 300[J/s] \times 120[s] = 36000[J] $$
となる。

氷の融解に使われた熱:
100gの氷が、氷の融解熱 \(x[J/g]\)で、融解したので、そこで使われた熱量は、
$$ 100[g] \times x[J/g] =100x[J] $$
となる。

この両者の熱が等しくなるので、
$$ \begin{eqnarray}
36000[J] &=& 100[g] \times x[J/g]\\
x &=& \frac{36000}{100} \\
&=& 360[J/g] \\
\end{eqnarray} $$

従って、(1)の解答は⑤である。


(2) 投げ込みヒーターから発生られた熱は、すべて水の温度上昇に利用されている。

投げ込みヒーターから発生られた熱:
この間は、投げ込みヒーターは、1 秒間に600 J の熱を発生している。その時間を\(x[s]\)とすると熱量は、
$$ 600[J/s] \times x[s] = 600x[J] $$
となる。

水の温度上昇に使われた熱:
200gの氷が、0℃から100℃の100℃上昇しているので、そこで使われた熱量は、水の比熱(比熱容量)が\(4.2 [J/(g\cdot K)]\)なので、
$$ 200[g] \times (100-0)[K] \times 4.2 [J/(g\cdot K)]=20000\times 4.2[J] $$
となる。後に約分するので、掛け算の計算はしないでおく。

従って、
$$ \begin{eqnarray}
600x&=& 20000\times 4.2\\
x &=& \frac{20000\times 4.2}{600} \\
&=& \frac{100\times 4.2}{3}\\
&=& 100 \times 1.4 \\
&=& 140[s]
\end{eqnarray} $$

従って、(2)の解答は、③となる。

以上。