式の展開の公式
和と差の積の公式
$$ (x \color{red}{+y})(x\color{red}{-y}) = x^2 \color{red}{- y^2} $$
二乗の公式
$$ \begin{eqnarray}
(x+y)^2 &=& x^2 +2xy +y^2\\
(x\color{red}{-}y)^2 &=& x^2 \color{red}{-}2xy+y^2 \\
\end{eqnarray} $$
例: \((2a-5)^2\) の場合
2乗の公式の下(マイナスの方)を活用
\(\color{red}{x=2a}, \color{blue}{y=5}と当てはめる。y=-5でないことに注意。\)
$$ \begin{eqnarray}
(\color{red}{2a}-\color{blue}{5})^2 &=& \color{red}{(2a)^2}-2 \times \color{red}{2a} \times \color{blue}{5} + \color{blue}{5^2} \\
&=& \color{red}{4a^2} -20a +\color{blue}{25} \\
\end{eqnarray}$$
例題1
\( \large{(x + 3y +2)( x + 3y -2)} \)を展開すると、以下のどれになるか
① \( x^2+9y^2-4 \)
② \( x^2+6xy+9y^2-4 \)
③ \( x^2+3xy+9y^2 -4 \)
④ \( x^2+6xy+9y^2 +4 \)
\( (x + 3y +2)( x + 3y -2) \)をよく見ると、右のカッコ内と左のカッコ内は、符号(プラス、マイナス)が違うだけでほぼ同じである。和と差の積の公式を使うこととする。
カッコ内の符号が同じもの(青色)と違う物(赤色)で区別すると、
$$ (\color{blue}{x + 3y} \color{red}{+2}) (\color{blue}{ x + 3y} \color{red}{ -2}) $$
青色と、赤色に分けて、和と差の積の公式を使うと、
$$ (\color{blue}{x + 3y} \color{red}{+2})(\color{blue}{ x + 3y} \color{red}{ -2}) = (\color{blue}{x+3y})^2 -\color{red}{2}^2 $$
複数の項がある方(この問題の場合は青色)に、二乗の公式を当てはめる。
$$ \begin{eqnarray}
(\color{blue}{x + 3y} \color{red}{+2})(\color{blue}{ x + 3y} \color{red}{ -2}) &=& (\color{blue}{x+3y})^2 -\color{red}{2}^2 \\
&=& \color{blue}{x^2+6xy+y^2} -\color{red}{4}
\end{eqnarray} $$
選択肢を見てみると、
④ \( x^2+6xy+9y^2 \color{red}{+4} \)
は、正解とは符号が違います。
① \( \color{blue}{x^2+9y^2}-4 \)
③ \( \color{blue}{x^2+3xy+9y^2} -4 \)
は、二乗の公式の部分(青色の部分)が違います。
従って、正解は②と分かります。
例題2
\( \large{(x – 3y +2)( x – 3y -2)} \)を展開すると、以下のどれになるか
① \( x^2+9y^2-4 \)
② \( x^2+6xy+9y^2-4 \)
③ \( x^2-6xy+9y^2 -4 \)
④ \( x^2-6xy+9y^2 +4 \)
カッコ内の符号が同じもの(青色)と違う物(赤色)で区別すると、
$$ (\color{blue}{x – 3y} \color{red}{+2}) (\color{blue}{ x – 3y} \color{red}{ -2}) $$
符号がマイナスの項(\( -3y \) )も、右のカッコ内と左のカッコ内で符号が同じ(マイナス同士で同じ)なので、青色と、赤色に分けて、和と差の積の公式を使うと、
$$ (\color{blue}{x – 3y} \color{red}{+2})(\color{blue}{ x – 3y} \color{red}{ -2}) = (\color{blue}{x-3y})^2 -\color{red}{2}^2 $$
複数の項がある方(この問題の場合は青色)に、二乗の公式を当てはめる。
$$ \begin{eqnarray}
(\color{blue}{x – 3y} \color{red}{+2})(\color{blue}{ x – 3y} \color{red}{ -2}) &=& (\color{blue}{x-3y})^2 -\color{red}{2}^2 \\
&=& \color{blue}{x^2-6xy+y^2} -\color{red}{4}
\end{eqnarray} $$
選択肢を見てみると、
④ \( x^2-6xy+9y^2 \color{red}{+4} \)
は、正解とは符号が違います。
① \( \color{blue}{x^2+9y^2}-4 \)
② \( \color{blue}{x^2+6xy+9y^2} -4 \)
は、二乗の公式の部分(青色の部分)が違います。
従って、正解は③と分かります。
例題3
\( \large{(x + 3y +2)( x – 3y -2)} \)を展開すると、以下のどれになるか
① \( x^2- 9y^2 -12y -4 \)
② \( x^2+6xy+9y^2-4 \)
③ \( x^2 + 9y^2+12y +4 \)
④ \( x^2-6xy+9y^2 +4 \)
カッコ内の符号が同じもの(青色)と違う物(赤色)で区別すると、
$$ (\color{blue}{x} \color{red}{3y+2}) (\color{blue}{ x} \color{red}{-3y -2}) $$
符号が違う項が複数ある場合もあります。青色と、赤色に分けて、和と差の積の公式を使うと、
$$ \begin{eqnarray}
(\color{blue}{x} \color{red}{+3y+2})(\color{blue}{ x} \color{red}{-3y -2}) &=& (\color{blue}{x} \color{red}{+3y+2})(\color{blue}{ x} \color{red}{-(3y +2)})\\
&=& (\color{blue}{x})^2 -\color{red}{3y+2}^2 \\
$$
複数の項がある方(この問題の場合は赤色)に、二乗の公式を当てはめる。
$$ \begin{eqnarray}
(\color{blue}{x} \color{red}{3y+2})(\color{blue}{ x} \color{red}{-(3y +2)}) &=& (\color{blue}{x})^2 -\color{red}{3y+2}^2 \\
&=& \color{blue}{x^2} -\color{red}{9y^2+12y+4}
\end{eqnarray} $$
選択肢を見てみると、
② \( x^2+6xy+9y^2-4 \)
④ \( x^2-6xy+9y^2 +4 \)
は、\(x\)の項と\(y\)の項が同符号の項として二乗の公式が当てはめられている。従って間違い。
③ \( x^2 + 9y^2+12y +4 \)
は、異符号の項の前にマイナスがついていないですね。
従って、正解は①と分かります。