高卒認定試験 日本史B H27年度第2回 大問4 ミニテスト

高卒認定試験日本史B(H27年第2回-4)

次の岩倉使節団についての生徒の研究発表をみて,後にある各問いに答えよ。

生徒の研究発表

高卒認定試験 日本史B H27年度第2回 大問4(出典:文部科学省)
高卒認定試験 日本史B H27年度第2回 大問4(出典:文部科学省)

これは,岩倉使節団のルート図です。この目的は,( A )と,西洋文明の視察で,彼らの多くにとって初めて触れる西洋の文明は驚きの連続でした。最初の訪問国である( B )のホテルで受けた驚きを「大鏡は水のようで,カーペットは花のようで,天井からは宝石かと見間違うほどのビードロのシャンデリアがぶらさがり…」と,久米邦武が使節団の見聞記録である『米欧回覧実記』に記しています。
イギリスでは,日本と同じような島国のこの国がなぜ大帝国へのぼりつめることができたのか,産業革命の実態を目の当たりにし「イギリスが富(ゆた)かな国である理由がとてもよく分かった」と大久保利通は本国にいる西郷隆盛への手紙に記しています。
フランスではフランス革命以降の混乱を目にし,伝統ある社会での共和政の難しさを「独立自由も三権分立も,よほど用心してかからないと大変なことになる」と木戸孝允は日記に記しています。
ドイツでは「世界はみな親睦礼儀をもって接しているように見えるが,それは全く表面上のことで,内面では強弱相凌(しの)ぎ,大が小を侮(あなど)るというのが実情である」という鉄血宰相ビスマルクの言葉に,伊藤博文をはじめとした一行は強い衝撃を受けています。
この明治初期に派遣された使節団が帰国した後,日本の近代化が成し遂げられていったことを考えると,西洋文明の視察は大きな成果を得たと私は考えています。