中里学園の最後の文化祭に行ってきました。
私にとっては初めての訪問ですが、多くの卒園生、元職員も集まっていた盛大なお祭りを楽しませていただきました。周りの昔話の会話に耳を傾けていると、昼食のメニューに出ていたカレーやラーメンの味を懐かしむ様子が窺えました。毎年の文化祭が、卒園生や元職員の同窓会の役割を果たし、そこで出てくる料理が思い出を呼び覚ますツールになっていたようです。そんな時に施設が無くなり、文化祭も無くなると、これからどうなるか心配でもあります。それでも、文化祭に代わる機会や人的ネットワークを作ろうという動きも垣間見えました。何もできないですが、応援したくなります。
卒園生たちの思い出話も聞けました。野球大会、マラソン大会等のイベントが良きにつけ悪しきにつけ思い出になっているという話もありました。中里学園は初めての私も、他の施設で、野球遠征の同行や駅伝大会へのボランティア参加など、色々やったなあと思い出しました。彼らにとって、イベントってそんな感じなんですねぇと思い返す次第です。その中でも私がやっぱり思い出すのはカレーですね。以前にも書きましたが、私が大学時代にお世話になった施設も閉園してしました。お別れ会の時に頂いたカレーは10年ぶりぐらいに食べたのに昔の記憶が蘇る味でした。今回もカレーを頂いたのですが、同じようなカレー、よくある普通のカレーで、大学時代にお世話になった施設のカレーと良く似ておりました。でも、初めての味なんですよね。このカレーを食べながら、別の施設のカレーを思い出して、美味しく頂きました。
社会的養護の出身者にとって、出身施設等が是非、彼らの故郷として機能することを期待したいです。里帰りしたら喜んで迎え入れてくれて、思い出が蘇り、昔話に花が咲く、そういう故郷であって欲しい。また職員が変わったとしても、施設が無くなったとしても、同窓会等々でそんな機能が有り続けてくれればいいなと願います。最後の最後には、個々の心の中にしか残らないかもしれませんし、いずれは、それぞれが次の世代の故郷になっていって、時代を紡いでいくことになればと思います。