高卒認定試験 物理基礎 H28-2 大問3 問2 解説+解答

解説:

熱容量の公式
物体の温度を 1K(ケルビン)上げるのに必要な熱量を、その物体の熱容量といいます。単位は [J/K] ジュール毎ケルビン です。熱容量は熱の含有可能量とでもいうべき量です。
熱容量 C [J/K] の物体の温度を、ΔT [K] だけ上昇させるのに必要な熱量 Q [J] は、
[math] Q = C \times \Delta T [/math]
となります。

比熱容量c[J/g \dot K]は、1g の物質の温度を 1k 上げるのに必要な熱量です。m[g]の物体の熱容量C[J/K]は、
[math] C =  mc [/math]
熱量は、
[math] Q = C \times \Delta T = m \times c \times \Delta T [/math]
となります。
 

(1)
水がアルミニウム球から受け取る熱量は、アルミニウム球が水に与える熱量と同じである。
アルミニウム球は、質量が100gであり、90℃から20℃まで温度を下げているので、
[math] (90-20)[K] \times 100[g] \times 0.9[J/(g\dot K)] [/math]
[math]  = 70 \times 100 \times 0.9 = 6300[J] [/math]
だけの熱量がアルミニウム球から水に移っている。

(2)
アルミニウム球と鉄球では、質量は同じ100gで同じだが、比熱が0.9と0.45の差がある。
すなわち、鉄球の方が蓄えられる熱量がアルミニウム球より少ないと考えればよい。

もともと、鉄球が持つ熱量がアルミニウム球より少ないので、水に移る熱量も少なく、水の温度上昇も少なくなる。したがって、全体の温度は、20℃までは上がらない。

以上。